ドローンの飛行原理が分かっていないと墜落を防ぐことはできない。

ドローンのセンサー

ドローンの制御で重要なのは傾きの制御である。
自発的な操作以外の傾けようとする力には全て抵抗すれば良い。
できれば人が何も操作しなければその場に止まってくれればなお良いが, 止まるためには位置の検出が必要になる。

傾きはジャイロセンサーで検出するのが基本。
3次元を飛ぶので3軸のジャイロセンサーが必要になる。


ジャイロセンサー(角速度センサー)とは、回転角速度の測定を実現する慣性センサーの一種です。角速度とは、ある物体の角度が単位時間当たりどれだけ変化しているか、つまり物体が回転している速度を表す物理量です。
 動きを検知する慣性センサーの代表として、加速度センサーがよく知られていますが、ジャイロセンサーは加速度センサーでは反応しない回転の動きを測定します。近年ではジャイロセンサーも電子機器に一般的に搭載されるようになり、例えばスマートフォンやゲーム機器(手持ち機器のUIとして利用)、デジタルカメラ(手ブレ補正用のブレ検知)、カーナビ(車が曲がったことを検出)などで利用されています。また車載グレードに対応したジャイロセンサーであれば、安全走行支援として横すべり検知やエアバッグの作動用として横転検知にも使われます。車の回転を検知する、というのは直感的に分かりやすいですが、人間の手の動きというのも関節により円運動を多く含むため、手持ちで操作や手持ちによるブレを補正するにはジャイロセンサーで動きを検知するのが適している、というわけです。
ジャイロセンサーの角速度出力はdps(degree per second、°/秒)で表します。1秒間に1回転している物体の場合、角速度は360dpsとなります。ジャイロセンサーに要求される検出範囲は用途により異なります。一般的な例でいうと、モバイル機器のユーザーインタフェース用途であれば、300dps~2000dps程度、手ブレ補正用途であれば150dps以下、また、カーナビなどの車向け用途だとその中間の100dps~500dps程度の検出範囲に対応したジャイロセンサーが使われます。


水平を測るのによく使われるのは3次元の加速度センサーで加速度の向きを測る。
測れるのは速度でなく加速度である。
加速度センサは、モーションセンサと呼ばれることもあります。3軸加速度センサは、1方向のみの動きだけでなく、x/y/z方向の立体的な動きを検出することができます。加速度センサを実現する方法にはいろいろありますが、製造コストの削減やサイズを小型化するために、最近はMEMSによる静電容量式センサが主流です。動作原理は、MEMSで可動電極と固定電極を作り、可動電極が動くことによって生ずる容量の変化を検出します。  加速度センサは動きを検出できますが、回転は検出できません。ジャイロセンサは回転を検出できるセンサです。ジャイロセンサは、ジャイロスコープと呼ばれることもあります。ジャイロセンサの動作原理は、可動電極を1方向に振動させておき、ここに回転が加わると振動方向と90°の方向にコリオリの力が働きます。これにより容量の変化が生じ、これを検出します。そして、可動電極の振動位相とコリオリの力による信号を同期検波すると、角速度を求めることができます。コリオリの力とは、フランスの物理学者コリオリが発見した物理量で、回転する座標系に発生する慣性力です。
また水平方向の加速度はそれほど続くわけではないので測定精度を上げ工夫することで正確な重力の方向を推論できる。
水平を調べるセンサーには地平線を画像処理で求める方法も使われるが最近のドローンで使っているのは少ないだろう。
その他のセンサーの情報も重力の方向を推測する役に立つものも多い。

GPSセンサーも有名で位置を調べるのになくてはならない廉価なセンサーである(写真はJRCのアンテナ一体型モジュール)。
ただし、姿勢の制御に積極的に使えるほどの精度は難しい。


気圧高度計も昔からよく使われる。上昇しているか下降しているかの判断に使える程度の精度を持てる。
ただしその場所自体の気圧の変化の影響を受ける(写真は秋月で800円で売っているもの)。


高度が低いときは超音波の跳ね返ってくる時間を測定する超音波高度計もある(秋月で500円)。
これをレーザーにするとレーザー式距離計になり、測定距離が飛躍的に伸びる(採用例はよくわからない)
これらの反射で測る距離計は障害物の検知に使う場合もある。


ふたつのカメラの視差を利用するものはRyzeのTelloに使われている。
Phantomなどでは障害物の検知に使っている。


画像センサは地面の模様を読み取って機体に位置を維持するために使っている機種もある。

電子磁気コンパスは機体の向きを判断するのに良く使われる(垂直軸の変化など)。
キャリブレーションという校正が必要になるが、これは外部の影響で狂うというよりも機体内部の磁気環境の変化の影響が大きいためらしい。

センサーは列挙するのは簡単で、値も簡単に取れるものが多いがそれを役に立つように使うのは難しい。
墜落しないドローンはセンサ積めば良いってものじゃなくそれらをどうやって生かすかという、しかも有機的に結び付けて使わなければ効果的でないだろうから、大変な仕事に違いない。

ドローン墜落の要因

トイドローンやレース用のドローンのような人の操作が墜落しないために必須の機体は当然直接の操作ミスが墜落の原因として多いだろう。
ここではドローンの自動制御特有のものを中心にいくつか考えて見る。

メカの不備

ドローンは機体の構造自体に自律安定性がないのでモーターのひとつでも必要な制御ができなくなったりプロペラが破損したりするとたちどころに真っ逆さまに墜落する。
制御不能になると、機体が裏向けになって真っ逆さまに墜落するのがよく見る墜落の状態である。こうなると、操縦者は単なる傍観者となり祈ることしかできない。

電気配線やアンプの不備

コネクタが抜けたりモーターを制御するアンプが抜けてもメカの不備と同じ現象が起きると思われる。
この手のトラブルは地道に問題点を追及することで信頼性を上げることができる。
コネクタをつなげた時にガタがないかぐらいは確認しておいた方が良い。信頼あるメーカーの場合、滅多にそんな事はないが、作り手の信用度が低いメーカーのものは危ないかも(○華製)。自分でチェックするぐらいの手間はかけた方がよい。

センサー類の不具合

センサーは必ず正しい値をだすととは限らない。
多分ジャイロセンサーと加速度センサーが最重要なものとして設計する場合が多いのじゃないかと思う。
センサー自体の仕組みは単純なので信頼性が高いものが多いと思うので、ポイントはその値を処理するソフト側でミスがでる。
制御系のフェールセーフを装備した機体であれば、一個のセンサーに不具合が出ても、もう一個で処理するなどの安全策がとれる。1

マイコンのバグ

マイコンでバグは当たり前のように存在する。
バグってもそれを検知して回復するような工夫は結構可能である。
それがどの程度のものかうかがい知るのは難しい。

衝突

人が載る航空機は墜落といっても視界不良などで山や電線などに衝突する場合が多い。
ドローンもDJIの新しい機種は画像センサーや超音波センサーで障害物を検知するが、そのセンサーにも限界があって細い電線や急に飛び出て来た鳥など対処できない場合がある。
自動帰還中も新しい機種は障害物を高度やそこまで来た経路を逆にたどるなど工夫はしているが細い電線や画像センサーでは、充分なコントラストが得られない場合は事故の元になる。自分の機体と障害物検知のセンサーの種類・能力について知っておく必要がある。
なお、画像センサーが逆光で無い面反射(フレアーなど)を起こした場合は障害物と誤検知して進めなくなる場合もあるし、霧などで乱反射する場合等、正常な環境以外での性能の限界は知っておきたい。

設定など使い方の不備

GPSは精度を求めるなら4つ以上の衛星の信号を捕らえなければいけない。
ビルや谷間などでは4つの衛星を捕らえにくくなる。
GPSが無くても正常であれば飛行は可能だが、不十分なGPS状態で飛行させた場合は、ホームポジションがとんでもない場所に設定され何かの拍子に自動帰還が働いた場合にそのとんでも無い場所に向かって飛んで行く場合がある。
この場所はGJI GO4アプリなどで地図が表示されている場合は、直観的にわかり易く表示されていると思うが飛行させるたびにホームポジションは確認した方が良い。
飛行高度もDJIの場合は500m以上の高度(離陸した基準との高度差)には上がれないようになっているが、山などでこの制限に掛かって避けきれずに墜落した場合があるようだ。
ドローンしか行けないような場所で墜落する分には、機体を失うリスクと天秤にかけて、飛ばすしかないだろう。

自動帰還時の高度の設定やら屋内でどのセンサーが有効かなど、アプリ側の設定と確認でトラブルを防ぐことができる。
自分の機体の性能と設定を良く見て想像力をたくましくして予め考えられる危険はできるだけ知っておくべきだ。

風や太陽などの影響

ドローンは制御可能な傾きに限界があるので飛べる風の状態にも限界がある。
ドローンは最大傾斜角度を超えると、真っ逆さまに墜落する構造なので、一定の角度以上に傾かないように機体側で制御している。
機体側で制御しているということを理解していない人が多く、風が強くても俺はコントロールできると言う人がいるが、突風で強制的に機体が傾いたら墜落するという事を理解できていないようだ。
自分が全てコントロールして操縦していると勘違いしている人の意見だろう。

逆光で太陽のレンズ内でのフレアやゴーストなどを障害物として誤検知して進まなくなる場合もある。
こういうときは機体の向きを変えてカニの横歩き状態で戻す。

よく見ていない

墜落の原因はこれが圧倒的。
ワンオペレーターで飛ばす場合は、カメラの画像を見ていて機体を見ていない場合に最も多い。
自覚がないといつまで経っても上達が遅くなる。
デジタルを扱う場合は、知識が最も重要である。パソコンを知っているのか、単にワードというソフトの事を知っているかの違いである。
大体の場合、パソコン使えますという表現を使うが、パソコンの事を理解できている人は少ない。OSの種類すらわからない人には理解できない。

撮影用のドローンは手を離せばその場で止まってくれるし、電波が切れたりバッテリーが戻れないほどに減ってきたら自動的に目の前の大きな障害を避けながら戻って来るが、それもこれも、設定やメンテナンスがちゃんとしてたらの話である。
しかし、そうは言っても設定を間違えたり、メンテナンスの多くは予防不可能なものが一杯残っている。
子供や科学的知識の常識の無い大人にも飛ばせるが、安全に飛ばせるかは別問題である。

距離の見間違い

ラジコンは遠くから見て距離を測る必要があるが、方角はともかく人間の遠くから距離を見きわめる能力など全く当てにならない。
平気で倍は狂う。
その点、DJI GOは正確だしカメラからの画像も役に立つ。
安全のためには、この画像を飛行中にもちゃんと把握できる用にしておくべきである。
プロポのスイッチで簡単に地図とカメラの画像を切り替えられるので確実に切り替えられるようにしておく。

非常時の操作

スマホなどがバグって画面がおかしくなってもプロポの操作自体は問題なくできる。
自律航行能力の高い撮影用のドローンでは

機体>プロポ>>スマホ

の優先度がある(全モーター停止だけはプロポが優先)。
スマホの情報なしでも安全に飛ばせるようにし、そうできる範囲内で飛ばすようにしなければいけない。

なお、自律航行性能の高いドローンで機体がおかしくなっても腕でカバーできるようにするなどと言うことは、意味を持たない。(自律航行性能の高くないドローンを撮影に使うべきではない。ただし、万一墜落しても大きな被害を出さないマイクロドローンは別)。
単に安全な場所に落ちるようにひょっとしたら操作できるかもしれない程度と考えておかなければいけない。
自律航行性能の高いドローンで操縦の腕など安全性に寄与することなどほとんどない。
自分で操縦していると勘違いしている人の戯言である。
それよりも安全に飛行させるための知識の方が重要である。

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